村井忠夫氏
第一部 基調講演と事例発表
G大規模修繕で大切なのは、自分のマンションの全体像を把握すること、例えば屋上の状態など自分の目で確認しておく必要があります。
H自分のマンションの文書をしっかり保管しておくこと。2回目の大規模修繕のとき1回目の修繕記録が分からないと困ります。過去の経験の蓄積を次の世代に申し送っていくことはきわめて大切です。
I建物の高齢化と共に住む人が高齢化します。また、人の入れ替わりで世代の違いが大きくなってきます。その違いとどう取り組むか、2回目、3回目の大規模修繕ではこの問題も配慮する必要があります。
(概要)
大規模修繕のコンセンサスをつくるには、自分たちの住まいを安心できるものにするためのものだと言う認識を、まず全員が持つことが大切です。そのためには組織運営をしっかり行い、日頃の広報活動が重要になります。
特に2回目、3回目の大規模修繕では周囲の新しくできたマンションと比べて嘆くのでなく、見劣りのしないように改修改善するという発想が必要です。そのためには、専門家まかせにするのではなく、前回の修繕記録を参考に、自分のマンションの全体像を把握すること、居住者の高齢化対策を考慮しながら、専門家と一体になっての修繕計画への取り組みが、大規模修繕を成功させることにつながります。
また、過去の経験の蓄積を次の世代に伝えるために、修繕記録などの文書を大事に保管しておくことも大切です。
第二部 質疑応答
参加者の皆さんには質問票で、村井先生の基調講演および二人の発表内容に関する質問を書いて提出していただきました。
村井先生がコーディネターを務め、進行係は鈴木副会長。そのひとつひとつの質問に丁寧に回答をさせていただきました。
詳しい内容は次ページに掲載致します。
事例発表2 榊枝清一氏(グリーンコーポ大倉山 築26年、312戸 4棟)
平成15年、建物、設備にわたる2回目の大規模修繕を行った。地盤沈下で排水管の故障が続出したのが今回の修繕の動機であった。
平成11年修繕委員会を設立、委員を3回募集したが集まらないので、結局理事が兼任することになった。理事会の諮問機関として細則を作った。
理事は1年交替で委員も辞めてしまうのでは修繕委員会が維持できないので、次の理事は工事期間中続けることにした。
修繕計画はコンサルに依頼したが、設備については委員会と建築士と話し合って、建物の仕様とは別に設備の仕様を作った。
設備改修、バリアフリー、駐輪場、通路の妨げになっていた変電室の改善等など住民の意見を反映して貰い、今回の大規模修繕が満足するものとなった。
大規模修繕は予算の限界を知ってバランスをとったことと、管理組合の熱意がプロジェクトを完成させたといえる。
プロジェクターを使用した説明。
マンションの周辺の環境や工事の様子を画像で確認できることで理解し易かったと好評であった。
2005年9月11日(日)
午後13時〜16時30分
於世田谷区三軒茶屋
三茶しゃれなあど
発表者の榊枝氏、右奥 田中氏
事例発表1 田中啓一氏(アドミレー成増 築30年、60戸)
50歳代から80歳代の高齢者世帯が60%を占めている。平成14年、修繕委員会を設立して2回目の大規模修繕に備え、理事会と一体になって修繕計画を進めた。工事は建物と設備にわたり、平成16年1月着工、9月に竣工した。
今回の修繕の目玉はエントランスホールの改修で、入り口前のスペースに余裕があったので、ここで総会を開けるようにかなり広くした。この他、コンサルの勧めもあり、バルコニーや開放廊下の天井などにピンネット工法を採用、安全性と耐久性を高めた。
業者任せにせず、理事会主導で工事を進めたのが成功に繋がった。
2回目の大規模修繕を成功に導いた管理組合のリーダー達は、困難な“合意形成”にどう対処したのか、いったいどうこの課題の答を見つけたのか。
二人の貴重な経験を、お住まいのマンションの大規模修繕に、有効な情報として役立たせていただきたいと私達は願い、このフォーラムのテーマと致しました。
今回のテーマは「大規模修繕のコンセンサスづくり」ですが、私の経験から、コンセンサスをつくるきっかけとなる項目を10あげてみます。
@大規模修繕が必要でないというマンションはあり得ません。
A大規模修繕は1回で終わりではありません。2回目、3回目となるとテーマが重みをもってきます。
B大規模修繕は自分たち自身のためにやるのだという認識が必要です。
C大規模修繕は自分のマンションを高く売るためでなく、自分自身の住まいを安心できる場にするために行うものです。
D管理組合の組織運営がキチンとしていないと、大規模修繕は成功しません。
Eいま大規模修繕をめぐる建設業界は厳しい状況にあります。プロの世界が真剣に取組んでいるだけに、管理組合もなま易しい取り組み方では対応できません。
F周囲に新しいマンションができて、それと対比しながら嘆いていたのでは何も始まりません。見劣りがしないように改修するという発想が必要です。

◇開会挨拶
実行委員長
岩崎徳男
第一部 13:00〜14:30
基調講演
「大規模修繕をひかえて管理組合がやっておきたいこと」
住宅評論家
村井忠夫氏
事例発表1
「建物と住む人の高齢化を踏まえ、時間をかけて大規模修繕の段取り」
アドミレー成増管理組合理事長
田中啓一氏(築30年60戸)
事例発表2
「修繕委員会が総会前に準備を進め広報や説明会で全員の合意を形成」
グリーンコーポ大倉山管理組合
元修繕委員長
榊枝清一氏
(築26年、312戸、4棟)
(休憩)
第二部 14:45〜16:10
質疑応答 ⇒詳細はこちら
「参加者みんなで考える
大規模修繕における全員の合意形成」
質問票で提出していただいた質問内容にお答する形でコーディネーター村井先生、発表者田中氏、榊枝氏に発言いただきました。
◇閉会の挨拶
副委員長
鈴木国夫
ここはマンション居住者のネットワーク作りを進めるボランティアグループのページです。